悪気のない人
例えば、会社の皆さんでどうぞ〜といろんな種類のケーキをいただいたとします。
すると、いつも必ず一番に「私、これがいい」と自分の好きなケーキを選んで、おいしそうに食べてしまう人がいる。
誰か他の人がそのケーキを食べたいなぁ〜と思っていたかもしれない、なんて露ほどにも考えない。
悪気がないのである。
そして、一番最後の残り物を食べる人もいつも決まっているのだ。
いつも残り物を食べる人は、残り物でいいと普通にその現実を受け入れるタイプなのか、本当は一番に食べたいのを我慢して、いつもお先にどうぞと譲ってしまうタイプなのか。
一番にケーキを食べる人は、いつも同じ人が最後の残り物を食べているなんて事は知る由もなく、知る気もなく、そんな優しさに気づく事はない。
もし、知ったとしても、一番に食べる人からすれば、食べたいケーキがあるなら、口に出して言えばいいのよ〜というだけであろう。
あくまで意地悪ではなく、悪気はないのだから。
世の中には誰にも知られず、いつも残り物を食べている、そんな優しい人がいる事を、悪気のない人にも知って欲しい。
悪気のない悪人が最近増えている、そんな気がする。